Love EaterⅡ
あかん。
これあかんやつだわ六花さんよ。
確実に俺の社会的立場が危うい。
えええええっ、真面目にコレどうするよ?
えっ?六花に今から連絡取って断るか?
いやいやいや、いやさ!
あの顔見ただろリッカよ。
あんな恋するお嬢さん全開にもじけて夢と希望に爛々だった六花だぞ!?
『ごめん、無理』とか嘘にも言えねえだろぉぉぉ!!
あいつの泣き顔とかもの凄ぇご馳走だけど、ショック全開の泣き顔は違うっ!!
…………うん、無理。
無理無理無理っ!!
うーわぁぁぁ、超可哀想!!
想像するだけでこっちの胸が痛いっ!!
ってか、そもそも!!
「っ……俺、六花との連絡の取り方知らねえや」
これでよく付き合っていると言えたものである。
もう幾度と逢瀬は交わしているものの、基本は魔女と神父の関係からのスタート。
魔女の悪戯に神父として駆けつけてとその時間を設けていたもんだから、肝心な事を聞きそびれて今この瞬間まで来ていたのだ。
「まあ、連絡先は次会った時に聞くとしてだ………はあ……デート。……どうしたもんか…」
別にデートがしたくないわけじゃない。
したいっていうなら寧ろ応えてしてやりたいくらいの心持ではある。
初めてのデートじゃあるまいし緊張も何もねえんだけどなぁぁぁ。
…………ん?
あれ?
んんっ?
「…………俺、そもそもデートってした事あったっけ?」
そんな疑問にまでぶち当たってしまえばだ、頼ることを自粛しようと思っていた百夜にソルトが泣きついて縋ってしまうのも無理はない。