Love EaterⅡ


まあ、結果、百夜には匙を投げられ予想外にも時雨に話しを聞いてもらう事になったのだが。

場所も廊下から移動しての時雨の研究室。

造りは百夜のそれと同じだが机や諸々の機具の配置などはまるで違う。

こうして百夜以外の魔導士の研究室に入るのは初めてだと、ついつい興味本位に視線を動かしてした最中。

「いいですねえ。実に若々しくみずみずしく甘酸っぱい」

「っ……なんかその表現異様に恥ずかしいんですけど」

「10代の肌……ですか。うーん、あやかりたいくらいに羨ましい」

「……」

「なーんて、僕だと言うだけで犯罪ですよねぇ、あはは」

最早、突っ込む言葉も見当たらない。

引いていいのか、冗談と受け取って形ばかりにも笑った方がいいのか。

一応後者を選んだソルトだったが、内心は引き気味で目は泳いでしまっている。

本当、俺何でこの人に相談してるんだっけ?と今更ながらに疑問を抱く程。

説明としては魔女云々のくだりは端折って、ただ年下の恋人との付き合いについての悩みを語ったのだが。

結局はその魔女云々の部分が最重要ポイントの悩みであり、そこを語らずして本当の意味の悩みとは違う気がする。

とは言っても百夜は最早聞く耳は持たずであるし、そうなると時雨の助言も無いよりかはまし。

まあ、この人がまともな助言をしてくれたらの話なんだが。

今もどこか能天気な様子の後ろ姿はソルトの切実な悩みをどこまで親身に受け取ってくれているのか。

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