Love EaterⅡ



それでも後者の情が強。

それを証明するように、六花の姿がくるりと正常位に戻ったかと思うと次の瞬間にはソルトの胸の中へ飛び込んでいるのだ。

細腕をソルトの体にしっかりと巻きつけて、存在の有無を全ての感覚で確かめるように。

体勢を戻した際に中の人格のスイッチまでも切り替えた様に。

甘え縋る様な温もりや感触はまさにいつものままの六花。

そう感じてしまえば、さっきは口内で留まった一言も、

「……ごめん」

ストンとソルトの口から零れ落ちてしまうのだが。

「……バーカ。ソルトのバーカ、浮気者」

「っ……馬鹿は百歩譲るにしてもだ、浮気者とか…」

「他の女に、まして魔女に命かけるとかマジに殺すよ?」

「んな事言ったって……それがそもそもな俺の本来の仕事なんだけど!?」

「とか言って、実際目前にしてひよってたくせに。『……今死んだら成仏できねえな、俺』なんて、自分に酔った位に呟いてた癖に、」

「っ…ぉぉぉぉぉぉお前ぇぇぇ、真似して言うんじゃねえよ!なんか無性に恥ずかしいじゃねえかっ!」

「ソルトが恥ずかしくて痛い奴だなんて事は今更だけど?」

「その恥ずかしくて痛い奴に惚れてんのはどこの魔女だ!?」

「この超絶キュートな魔女様だ!!」

「どんと胸張って言い切りやがるかよ、そうかよっ!」

確かに超絶キュートだけどなぁ!!

なんて、心の内でも同調した時点でソルトの負け。


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