85%確信犯
痛いところをつかれて、何も言い返せない。
『颯くんは心音のこと大好きだもんねぇ』
「バカにしてんのか」
ニヤニヤしている温の様子が容易に想像できて、やっぱりムカつく。このストレス製造機め。
『まーまー、落ち着いてよ。本題あるんだよね。颯ならかけてくると思ったし』
「……あんだよ」
『今回、心音に告白してきたのがさー、学年一のイケメン君なんだよね』
「ふーん」
『お、余裕じゃん』
「んなわけねーだろ。反応しようがなかっただけだよ」
余裕なんて、とっくになくなってる。
──だってあの子、かわいいし。
いつも見かけるけど、直視なんてできないくらいだ。見ていたいけど見ていられない。乙女か俺は。