85%確信犯



きっと、こんな女々しいところを見せたら、幻滅してしまうだろう。…まぁ、まだ幻滅されるほど彼女の視界に入れていないだろうけど。


『…ほんと、キモいくらいデレッデレだね』

「るせー黙れ」

『認めるんだ』

「否定しても黙らねぇだろ、お前」

『まーね』


どうせネチネチ聞かれるんだ、最初から認めてしまった方がいい。温ほど面倒くさい奴はいない。


『……なのになんで、くっつかないんだか』


電話口で温がボソッと何か言った。けど、全く聞こえなかった。


「今なにか言ったか、温」

『なんでもなーい』

「俺にはハッキリ聞こえてんだよ」

『颯には関係なーい』

「俺との電話の最中に俺と関係ない話するな」


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