85%確信犯
◇
──プシュー
只今の時刻は、午後5時43分。
今日は運が良かったらしい。
帰りの電車を待つホームで、彼女を見つけた。
“心音に告白してきたのがさー”
従姉妹に煽られたわけではない。
けれど、俺の心の中には少なからず焦りが存在していて。
「(……見つけた)」
ホームに佇んで、電車を待っている彼女。
特別なことをしているわけではないのに、その姿だけでひどく緊張が襲う。
なんて声をかけようか。
そんな小さな悩みでさえも愛おしくなってしまうくらい、彼女に溺れていることは明白で。
軽く深呼吸してから、俺は彼女に近づく。
「あの、すみません──」
Fin.