85%確信犯







──プシュー


只今の時刻は、午後5時43分。


今日は運が良かったらしい。

帰りの電車を待つホームで、彼女を見つけた。


“心音に告白してきたのがさー”


従姉妹(クソ温)に煽られたわけではない。


けれど、俺の心の中には少なからず焦りが存在していて。


「(……見つけた)」


ホームに佇んで、電車を待っている彼女。

特別なことをしているわけではないのに、その姿だけでひどく緊張が襲う。


なんて声をかけようか。

そんな小さな悩みでさえも愛おしくなってしまうくらい、彼女に溺れていることは明白で。


軽く深呼吸してから、俺は彼女に近づく。





「あの、すみません──」





Fin.


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