85%確信犯
心音…というのは、温の親友らしい。そんでもって、俺の片想い相手でもある。
ただし、学校が違うから、会える…というか見かけられるのは朝の電車を待つ時間のみ。しかも、俺の乗る電車の方が先に出てしまって、彼女をギリギリまで見ていられない。
そんな彼女が告白されたらしいわけだから、俺はガラにもなく焦っていた。
「…温」
『あ、もしもし?』
居ても立っても居られなくなった俺は、メールの返信を打つのも煩わしくなって、温に電話をかけた。
そんな状況を見透かしているであろう温は、電話越しに笑っていて、余計に俺を苛立たせる。
「…白々しい奴」
『なに?切るよ』
「やめろ」
『うそうそ。心音のことでしょ?』
「……あぁ」
『コソコソ嗅ぎまわってないで、さっさと告白したらいいのに』