劣等生とHSP〜「敏感」なのも個性です!〜
風邪ならば、二日ほどで熱が下がると親は言っていました。しかし、私の熱は上がったり下がったりを繰り返し、一向に良くなる気配がありませんでした。

「明日も熱あったら殺す」

お母さんにそう言われ、私は死ぬ覚悟を密かに決めました。

なぜか、夜布団に入っても朝まで眠ることができません。夜中の二時や三時に必ず目を覚ましました。

そして、熱を測って38度あったのを見て、殺されるという絶望に駆られました。

「いつになったら治るんだ」

そう親から言われ、私は気持ちが焦り、どうすればいいのかわからなくなりました。熱は解熱剤を飲めば下がりますが、切れた瞬間にまた上がってくるのでどうしようもありません。

熱が出て三日目のことだったと思います。夕方、親はとても怒っていました。

理由は、弟のことで怒っていましたが、まさか病人にまで飛び火が来るなんて想像もしていませんでした。

「飯、食えるんか!?」

怒った口調で言われました。怖くて、私は「食べれる」と答えました。そして、ゆっくりと布団から出ました。
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