劣等生とHSP〜「敏感」なのも個性です!〜
私の心を、恐怖が支配し始めました。耳を塞ぎましたが、隙間から容赦なく二階での大声などは入り込んできます。

胸がだんだん苦しくなっていき、私は過呼吸を起こしてしまいました。息ができず、手足が痺れ、胸はズキズキと痛みます。

荒い呼吸を何度も繰り返し、私はただ二階が静かになるのを待ち続けました。

二階が静かになった後、私は泣きながら洗濯物を畳み、片付けました。その時にふと思いました。なぜこんなにも体が反応するのだろう、過呼吸を起こしてしまうのだろう、と……。

すぐにスマホの電源を入れ、原因を調べました。もしも精神的な病なら、きちんと治療をしたいと思っていました。

ADHDと診断された時のように逃げたりはしないと決めていました。どんな病気でも受け止め、嘘をつくことなく治療をしようと思っていました。

「HSP?」

私の目に、その文字が止まりました。すぐにその内容を目に通します。

HSPとは、生まれつきの性質で強い光や音などに敏感な人のことだそうです。なんと、五人に一人がHSPだとか。
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