Summer -未成年-
プロローグ
プロローグ
「残念だったな。
そこはもう行き止まりだ。」
ついに追い詰めたその先。
必死に目の前の壁を昇ろうとしているが、
ここはそう簡単にいく高さじゃない。
しばらくトライするその姿を見つめながら、
あっという間に距離を詰める。
「さぁもう観念して大人しく縄につけ。」
出来れば手荒な真似はしたくない。
俺の呼びかけを理解したらしく、
ゆっくりとこちらを振り返った。
後ろは壁、前は俺。
「よし、じゃあ行こう。」
諦めがついたのか、
一歩ずつ俺に向かって歩を進め・・・
「・・・・・・・・なっ・・!?」
『神野くん・・?どうしました・・?
・・・・神野くん応答してください。
・・神野くん!!?』
< 1 / 196 >