Summer -未成年-


「その男子生徒はなんて答えたんですか?」


「・・“やっていない”と・・。

“鍵は持っていたが、女子更衣室には近づいてもいない”と・・。」


「しかし、新聞記事には“同校の男子生徒”と書かれていた。」


「・・・・・・・・・・・。」


「その子の証言を信じなかったんだな?」


「その生徒は・・日頃から素行があまり良くなくて・・

度々問題を起こしていたので・・。」




「理由になっとらんわ!!!
証拠も無く犯人扱いしたのか!!?」


ジジイ・・・・・
鼓膜がビビるから勘弁しろよ・・。




「さ・・最終的にはその生徒も“自分がやった”と言ってくれたので・・!」


「それはあんたらが自白の強要をしたからじゃないのか?」


「わ・・私達は正直疑っていましたが、

ま、丸井先生はそのような事はしていません!」


「・・・・・・丸井先生はその時どうしたんですか?」


「その男子生徒と色々話し合っていたようですが・・

丸井先生もかなりショックを受けていた様子で・・。」


「それで?」


「最後はその生徒を連れて校長と私の元へ・・。

そこで生徒の口から“自分がやりました”と。」


「その生徒は今3年生ですか?
話が聞きたい。」



「・・・・・・・・・・。」


「・・・?」


「“退学処分”としました。」


「!?」


「現在はナカサキの街からも家族と一緒に引っ越したようです。」


「・・・・・。」


「更に・・連帯責任という事で、
水泳部は昨年度を以て活動休止に。

今年度は部員募集もさせていません。」


「随分と厳しい裁定だな。」


「当然です。
学校の信用回復のためには・・!」





「ジジイ、
ちょっと席外すからバトンタッチ。」


「フン!じゃあ教頭、その子の名前を教えろ。丸井が死んだ日のアリバイを確認する。」



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