Summer -未成年-
「荒木・・どうしよう・・・。」
「・・・・・・・・。」
僕と荒木はこっそり離れの外へ出て、
近くの田んぼから発せられる蛙の鳴き声を聞きながら・・・
急展開したこの現実に打ちひしがれていた。
「警察に通報するべきだと思う。」
椅子代わりにできる石段の上に腰掛け、
荒木はずっとスマホを眺めていた。
「“淫行条例”ってのがあるらしい。
18歳未満に手出したんだからこれには絶対引っ掛かる。」
「ご・・誤魔化されないかな・・。」
「チサトがはっきり自分の口で言えば警察は信じてくれるさ。」
「・・・・・・・・・。」
「・・どうした?」
「どうしてチサトはもっと早く・・
僕達に助けを求めてくれなかったんだろうって・・ずっと考えてた。」
「・・・・・・・・・・・。」
「でも違うんだ。
チサトは・・ずっと僕に助けを求めてたんだ・・・。」
「何言ってるんだよ。普段のあんなおちゃらけた様子から察せられるわけないだろ。」
「LINE・・。」
「・・・・?」