Summer -未成年-


―――――― 


「おい小僧、どういう事か説明しんかい。」


「俺だって聞きたいぐらいだよ。」



『神野くん。
イヤホンを岡本捜査官へ渡して下さい。

私から直接説明します。』



「ほれジジイ。俺の上司からだ。」


「・・・尾行捜査をしとった時を思い出すわい。」







『初めまして、
神野くんの上司の月本と申します。』


「岡本じゃ。おどれがずっと小僧にちょこちょこと入れ知恵しとったんじゃな。」


『恐れ入ります。』


「・・・それで?
何を見つけたんじゃ?」


『あなたが持っている“違和感”の正体が分かったかもしれません。』


「・・・・・・・?」


『報告書を・・鑑識写真を改めて見直しました。』


「やっぱり丸井の・・」


『いえ、違います。』


「・・・・・・・。」


『岡本捜査官、
あなたは最初に現場を見た時・・・

丸井氏が吊るされていた光景を見て、

無意識のうちに【現場そのもの】に違和感を覚えたのではありませんか?』


「・・・・現場自体じゃと・・・・?」


『感服しました。
これこそがベテランの勘なんですね。』


「ちょ・・ちょっと待て。
言われてもピンとこんぞ?」

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