Summer -未成年-
「窪田君、荒木君。」
「「はい・・・。」」
「今から俺はここで首吊り自殺します。」
「「!!!!!!??」」
「こうする事で、
水森さんや君達を守る事が出来る。」
「ちょっと待ってくださいよ・・・。」
「何言ってるんですか先生!!」
「罪悪感を覚える必要は全く無い。
1年前に果たせなかった想いが実現できる。
俺にとって・・・・・教育者として、
こんな幸せな事はないよ。」
丸井先生が垂れ下がった縄に・・・
作られた輪っかに首を通そうとする。
思わずそこに近づ・・・
「来るな!!!」
「「!?」」
「絶対に俺に触っちゃダメだ。
・・さぁ・・もう行きなさい。」
「なんで・・・なんでだよ・・・。」
「先生!!」
「・・・佐倉や・・ナカサキ署の警察に代わって謝ります。
本来君達を守るべき存在の大人が・・・
君達を傷つけて本当に申し訳なかった。」
「「・・・!」」
「生きなさい。
もし俺に対して罪悪感を覚えてしまうなら、
水森さんも含め、
全員が必死に大人の道を駆け上がり、
それぞれの幸せを見つけなさい。
それが出来たら君達の事を許します。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
気がつけば、
荒木の腕を引っ張って走り出していた。
荒木の方が力があるはずなのに、
この時だけは、
留まろうとするその力を僕が上回った。
泣くことも忘れていた。
ただひたすら、
丸井先生の想いを受け取って・・
僕達は無我夢中で、
森テ乃公園から逃げ出した。