Summer -未成年-


「文太さん・・俺言いましたよね?」


「分かっとる!だが今回は絶対に違う。
これは自殺じゃない、【他殺】だ。」


「分かりました。分かりました、話聞きますからその大声はやめてください。」





「・・・?・・誰じゃ今“舌打ち”した奴は!!?」


後ろの方から舌打ちが聞こえたので振り返るが、

同時に隣に座っていた柿谷が立ち上がり、

儂をなだめようと“まぁまぁ”と両肩を揉んでくる。


「山里課長。

文太さんと一緒に被害者のアパートをガサ入れした結果、遺書は見つかりませんでした。

多分文太さんはそこを言いたいんだと思います。」



「山ちゃんよ、それだけじゃない。儂は丸井の死体を見て2つ引っ掛かった。」


「と言いますと?」


「衣服の乱れじゃ。」


「・・・無かったんですよね?」


「無さすぎだ。」


「・・?」


「背広、シャツ。綺麗すぎじゃ。
シワの一つも無いぐらいにな。

だから丸井の家をガサ入れした時、

遺書は柿谷に探させて・・
儂はこいつを必死に探した。」



ポケットから紙を取り出して山ちゃんが座る机まで持って行く。

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