Summer -未成年-


「これは・・・クリーニングの受け取り票・・?」


「受け取ったのは死ぬ2日前。

自殺を考えてるような奴がわざわざクリーニングに出すか?


それと同じ様に、
丸井の両手の爪を確認した。

確かに防御創は無かったが、
爪が綺麗に整えられていた。

“爪を切ってヤスリをかけたんだ”
と誰が見ても分かる程にな。


とにかく現場を見た時から・・儂の頭の中でずっと“違和感”がこびりついて離れん。

・・・・・儂には丸井が自殺しようとしていたとはどうしても思えない。

彼はただ普通に日常生活を送り、

翌日も、翌々日も普通に生きようとしていたのに・・・

予期しない“死”が彼を襲ったとしか思えん。」



「・・・・・・・・・・・・・・。」



山ちゃんが儂から視線を外し、
クリーニングの受け取り票を見つめる。


どうじゃ山里・・もう1度考え直・・




「こじつけだよそれは。」


「!?」


山ちゃんと向き合う中、
背後から声が聞こえてきた。

< 34 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop