Summer -未成年-
「お前ら付き合いたて2週間のカップルみたいだな。」
「・・や・・やっぱりぃ?」
「鼻の下伸びてるぞ。」
「でもチサトは歳上の金持ちが好きなんだってさ。」
「そんなの照れ隠しに決まってるだろ?」
「え・・そうなの?」
「見てりゃ分かるよ。」
「・・?・・なにを?」
「“いっつも独りでいる奴”って印象だった。」
「・・・僕?」
「チサトだよ。」
「・・・・・・。」
「入学式の自己紹介の時とか、授業中先生に当てられた時はおちゃらけてるけど、
あいつが他の女子と喋ってるのほとんど見たこと無いし・・まぁ女子に限らず、
いつもブスッとした顔して独りポケットに手突っ込んで歩いてる印象しか無かった。」
「意外と荒木って視野広いんだね・・。」
「だからお前がチサトと一緒に屋上来た時は正直驚いた。」
「あれはチサトが勝手についてきたというか・・。」
「チサトもお前の事好きだと思うぞ。」
「(゚Д゚)!!?!!?」
パピコを握る手に力が入り、
僕の口へ一気にコーヒー味が押し込まれ咽せたのは言うまでも無い。