Summer -未成年-
[密室の状態でも殺人は実行可能]
[アリバイがあっても疑え]
当時の常識を覆し、
全国の警察への多大な教訓として残され、
“財前の方程式”
として隠語化されたほどの一大事件。
天才との“勝負”に勝ったのに・・
“試合”には負けた爺さんの無念は言葉では言い表せられないものだったろう。
首吊り死体に取り憑かれてしまったとしても不思議じゃない。
『神野くん。同じ刑事として岡本捜査官へは多々思うところありますが・・』
「大丈夫ですよ。
同情はするけど、だからと言って根拠も無しに今回も他殺だとは言えない。」
『はい。明日からも頑張りましょう。』
ヒデさんとの会議を終え、
冷蔵庫のオレンジジュースに手を伸ばした。
第5章 完