Summer -未成年-
「~♪~~♪」
もうすぐ打ち上がる何百発が楽しみで仕方ないのか、
チサトは鼻歌交じりで階段を昇る。
僕ももちろん花火は楽しみだし、
校舎の屋上で見られるなんて誰にでも出来ることじゃないし・・・
ただ・・既にこの時点で“頑張れ自分”と言い聞かせていた。
合図は荒木の、
“やべっ腹痛くなってきた”。
「なにエッチなこと想像してるんだよ窪田?」
「!?してない!!」
いつの間にか1つ前で階段を昇っていたチサトが僕の顔を覗き込む。
その至近距離&当たらずも遠からずな指摘に、
そのまま階段から転がり落ちそうになったのは言うまでも無い。