虹色シンデレラ
トントン。

「ちょっといいかしら」
珍しく、お母様の声。

「はい、どうぞ」
慌ててドアを開けて、私はお母様を招き入れた。

ここに越してきてから、今まで1度もお母様が部屋を訪れることはなかった。
何かあったんだろうか?


「虹子さん」
「はい」
「これを渡そうと思って」
そう言って差し出された1枚のカード。

「クレジットカードですか?」
「ええ」

それも、ただのカードじゃない。
ブラックカード。
これって車が買えるって奴だよね。
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