虹色シンデレラ
やはり、今日の話題の中心は俺の結婚報道について。

分かってはいた。

俺と咲良のことを知っている奴らから見れば、不誠実な行動に見えるだろうから。

でも、すべてが曖昧すぎて何も答えることが出来ない。



「最近、仕事の方はどうなの?」

さすがに話題の矛先を変えようと華子が咲良に声をかけた。


「まあまあかな?」

「ふーん」


そう言えば、最近仕事の話しを聞かないな。

雑誌で見かけることもあまりないし、仕事が決まったって話も耳に入ってこない。


「オーディション受けてるんだろ?」

太郎も聞いている。


「まあね。でも、私くらいの子ってたくさんいるのよ。何か話題性でもない限りなかなか受からないの」

「へー」

「太郎、お父さんの会社のCMで使ってよ」

「えっ・・・」

冗談なのか本気なのか、咲良の一言で一瞬静まりかえった。
< 123 / 579 >

この作品をシェア

pagetop