虹色シンデレラ
俺たちの小中高の幼なじみは、基本的に金持ちの子が多い。

そのせいか、どちらかと言うと人を使う側の意識が強くてコネを利用して何かをしようなんて考える奴は少ない。

咲良だって、認知こそされていないが大手ホテル王の娘。

公に出来ないだけで、伝手だってコネだってたくさん持っている。

そもそも、そんなに必死に働かなくたって生活に困ることはないはずだ。


「咲良、本気で言ってるの?」

華子の心配そうな顔。


「冗談よ。決まってるでしょ。こんなことで友達利用したりしないし」


あっけらかんと笑って見せた咲良だけど、俺は気づいてしまった。


咲良は相当まいっている。
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