虹色シンデレラ
ほんの少しだったけれど、私は祐介くんの優しさに救われていた。

いい友達になれるかもって思っていたのに、

「気分悪い。騙された気がする」

感情にまかせて投げつけた言葉。


しかし、祐介くんは表情1つ変えることなく、

「虹子はそう言うけれど、俺は騙したつもりはない。虹子が家を飛び出したときは許婚が哲翔だとは知らなかったし、この間も、虹子があんまり元気がなかったから誘っただけだ」

悪い事はしていないと言う。


「それでも、話して欲しかった」

そうすれば、こんな悲しい気持ちにはならなかったのに、

ウルッ。

今朝から泣きすぎてしまって、私の涙腺は緩んでいる。


「・・・ゴメン」

そう言って、祐介くんは私の隣に座った。
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