虹色シンデレラ
哲翔さんの話を要約すると、

お嫁さんが初めて実家に帰ることを初泊まりというらしい。
それには色々なルールや決まりがあり、簡単にはいかない。
持って行くお土産の準備もあるし、警護だってつけないといけない。
それに、初泊まりは哲翔さんと2人で行かなくてはいけない。

だから、すぐには無理。


「悪いけれど、来週は諦めて」

「えー・・・・ヤダ」

「虹子?」

「だっておかしいじゃない。何で自分の親に会いに行ったらいけないの?それもただ遊びに行くわけじゃないし。誕生日のお祝いをしに行くのを止められる意味が分からない」


「決まり事なんだ。聞き分けてくれ」

「イヤ」

「虹子」

哲翔さんが困り果てている。

でも、私だって譲れない。


「絶対にイヤです」

そう言って、私は立ち上がった。
< 148 / 579 >

この作品をシェア

pagetop