虹色シンデレラ
こうなったら勝手に行ってやる。

泊るのは無理でも、せめてプレゼントを渡して顔だけ見て帰ってこよう。

そのくらいは許されるだろう。


「ダメなものはダメなんだよ」

哲翔さんの部屋を出ようとする私にかけられた言葉。

「・・・」
無視した。


「無理を承知でわがままを通せば、みんなに迷惑がかかる」

わがまま?

その言葉にキレてしまった。


「親の誕生日をお祝いしたいっていうのがわがままなの?」

「ああ」

はあ?

「もういい。勝手にします。放っておいて」


「勝手にって、どうする気だよ?また抜け出して、失踪する気?今度こそ乃梨子も異動になるだろうし、菅原だって責任をとらされるだろうな」

ウッ。

私は哲翔さんを睨み付けた。
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