虹色シンデレラ
私は何のためにここに来たんだろう。

肝心な哲翔さんは意地悪で、とても好きにはなれないし、
私なんかよりずっと綺麗な恋人がいる。

そんな人と暮らしていて幸せになれるはずがない。

早く、ここから出て行くべきなのかもしれない。



「虹子。オイッ、虹子」

名前を呼ばれ、目を開けた。


「昼食にしよう」

目の前のテーブルにはオムライスが2つ置かれている。


「いらない」

欲しくない。

「ダメだよ」

哲翔さんがスプーンを差し出した。
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