虹色シンデレラ
「父さんこそ、どこがそんなに気に入っているのよ」

意地悪な暴君じゃない。

今日だって、無理すれば行けたかもしれないのに、


『お前は知らないのか?』

「何を?」

『昨日の晩哲翔くんが家に来たんだ。「明日はせっかくの誕生日ですが、初泊まり前なので虹子を来させることができません。すみません」て頭を下げて、父の日と誕生日のお祝いですって花束と贈り物を置いていった。上がりなさいって言ったけれど、「虹子も来たがっていましたから、今度一緒にお邪魔します」って、玄関で帰って行ったんだぞ』


そんなの聞いてない。


『ちょっと、虹子』
父さんから携帯を奪った母さんの声。

「何よ」

『オムライスどうだった?』

「ええ、どういうこと?」

『哲翔くんに頼まれて、レシピを教えたの』

「嘘」
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