虹色シンデレラ
「虹子様」

乃梨子さんが私を見ている。


「ああ、ごめんなさい」

つい自分の世界に入っていた。


「余計なこととは思いますが、裾の長いドレスで歩くときは軽く裾を蹴りながら歩くのです」

「裾を蹴る?」

「ええ」


首を傾げながら、その場で蹴ってみる。


「違います。サッカーではないので、そんなに大きく蹴る必要はありません。膝で軽く蹴るのです」


膝で軽く蹴る・・・

何度かやっているうちに、コツがつかめてきた。
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