虹色シンデレラ
2,3歩後ずさりして、私は王子様を見上げた。


「私よりも適任の者がおりますので、案内させます」

(私はあなたに、虹子にお願いしています)

いやあ、それは・・・


(あなたと2人で日本の街を歩いてみたいのです)

「そんな・・・」


私が戸惑っているうちに、再び距離を詰めてきた王子様。


見ると、王子様の連れが遠巻きに私達を囲んでいる。

まるで、邪魔の入るのを止めているみたい。

お陰で乃梨子さんも近づけない。


困ったなあ。


(帰国までに街を案内いただけますか?)


「ぇ、ええ」


とにかくここから逃げたくて、頷いてしまった。
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