虹色シンデレラ
(約束ですよ)

そう言って、王子様が私の手を取った。

ええっ。

彼らの国では、女性に触れることは許されないはず。

じゃあ、なぜ?


驚いて顔を上げ、私は気づいた。

王子様の目は、愛しい者を見る目なんかじゃない。

私を見下している。

一見優しく笑ってはいるけれど、まるで獲物のように私を見ている。


お願いやめて。

そう言いたくて、言葉が出ない。


(美しい肌ですね)

チュッ。

今度は手の甲にキスをする。



ダメだ。

この人は私を試している。

どこまで受け入れるのか、タブーを承知で私に挑んでいる。
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