虹色シンデレラ
あれだけ気をつけろと言ったのに、王子に捕まっている。


馬鹿野郎。

何で逃げないんだよ。



ああ、あああ。

そんなに接近させるんじゃない。


それに、

もう飲むな。

さっきからグラスを何度空けたんだ。

ただでさえ弱いのに酔っ払って、顔が真っ赤じゃないか。


「馬鹿がっ」


ククク。

おじさんが笑っている。


「おじさんは行かなくて良いんですか?」

大ホールには政治家や貴族がゴロゴロしている。

外務大臣であれば、挨拶しないといけない人は多いはずだ。


「今は君を見ていた方が面白い」


「からかわないでください」
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