虹色シンデレラ
「どうしたんだ?」


「ごめんなさい。大丈夫だから」

「嘘言え、震えているじゃないか」


俺は今の今まで気づかなかった。

どうやら、かなりの恐怖を感じていたようだ。

さすがにこんな姿を見ては、文句を言う気にはなれない。


「もういい。部屋で休めよ」

立たせてやろうと指しだした手を、

「1人で大丈夫だから」

虹子に払われた。


「どうしたんだ?」


「私は大丈夫だから、哲翔さんはパーティーに戻って」

「お前・・・」

「お客様の接待もできなくて、哲翔さんにまで迷惑をかけて、本当にごめんなさい。でも、まだお客様がいらっしゃるんだから、哲翔さんだけでも戻ってください」


「バカッ。そんな心配しなくていい。お前は酷い目に遭ったんだぞ。素直に怒っていればいいんだ」
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