虹色シンデレラ
約3ヶ月ぶりの実家。

幸い天気も晴天。


私と哲翔さんの着いた頃にはカメラや報道陣、そして多くの野次馬が家の前で待ち構えていた。



「凄い人集りね」

「そうだな」

ギュッと唇を結んだ哲翔さん。


あれ、緊張してる?


「どうかした?」

いつもの哲翔さんと違う気がする。


「虹子が俺なんかの許婚じゃなかったら、こんなに騒がれることもなかっただろうし、人目にさらされることもなく静かに暮らせたんだよな」

今更そんなこと・・・

「何言ってるの。それは私が自分で決めたこと。哲翔さんのせいじゃないわよ」

「そうか?」


ヤダ、そんなこと気にしていたの。


「行きましょう」

私からギュッと、手を握った。
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