虹色シンデレラ
ねえ、着替えてくれば。それじゃあ落ち着かないでしょう」

康生が声をかけた。


確かに。

今日のために用意した新しいスーツと帽子までかぶって、とてもくつろぐ格好じゃない。


「部屋に服が残ってたわよね」

「ええ。そのままにしてあるわ」

よかった。

「じゃあ着替えてくる」


「哲翔くんも楽な格好になりなさい」

父さんは哲翔を気遣っている。

「ありがとうございます」


考えてみれば、3LDKの我が家に哲翔さんの部屋なんてあるはずもない。

ではどうするのか、

結局、2人分の荷物は以前私が使っていた部屋に運び込まれることになった。
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