虹色シンデレラ
その後、母さんの用意したお味噌汁と焼き魚で純和風の朝食を食べた。

いつもはパンを食べている哲翔さんの口に合うんだろうかと心配したけれど、美味しそうにおかわりして、出来たての茹でトウモロコシまで平らげてしまった。



「お世話になりました」

来たときと同じくスーツ姿になった哲翔さん。

「何もないけれど、またいらっしゃい」

「はい、ありがとうございます」



「虹子も、またおいで」

「うん」
すでにウルウルしている私。

久しぶりに実家に帰って、とても幸せだった。

だからこそ、帰りたくない。


「行こう」

様子を察した哲翔さんが、手を握った。


「はい」


今の私の家は高宮邸。

帰るしかない。
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