虹色シンデレラ
温かな家庭、

優しい両親、

無条件で笑い合える関係。


すべて俺の知らないものだった。


あんな家になら、帰りたいと思うのかもしれない。

恋しがる気持ちも分からなくない。



「高宮の家に戻りたくないのか?」

「・・・」


「近いうちにまた行こう」

「無理よ」

「何で?」

「だって、お母様が許さないと思うし」

「俺が何とかするよ」


「どうして?」

え?

窓の外を見ていた虹子が、冷たい目をして俺を振り返った。

「なぜ、急に優しくするのよ」


あれ、怒っているのか?

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