虹色シンデレラ
完全な不意打ち。

俺は無防備だった。



「別に責めてるわけじゃないのよ。咲良さんの存在は私も知っているし。でも、罪滅ぼしみたいに優しくされるのは・・・しんどい」

ん?

どういう意味だ?

俺が楽しくもないのに、芝居をしていたと思っているのか?



「なあ、俺は罪滅ぼしなんてつもりは微塵もない。本当に楽しかったんだよ」

「信じられない」

「虹子・・・」


俺は何度も「嘘じゃない」と口にした。

でも、虹子は信じない。


きっと、今は何を言ってもダメなんだろうな


虹子は俺と咲良のことを疑っている。



2人無言のまま、車は高宮邸に戻っていった。
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