虹色シンデレラ
悔しくて悔しくて、私は父さんの前で泣いた。
「それじゃあ私を売ったのと同じじゃないの」
つい叫んでしまった。

いくら『会ってみて嫌なら断ればいい』と言われても、お金が動いていたとなれば事は単純ではなくなる。
もしも、向こうが結婚を望めば、私は無碍には断ることはできない。
それだけの引け目がある。

「虹子・・・」
父さんが辛そうに名前を呼んだ。

そして私は、
「もういい。父さんも母さんも大嫌い」
まるで反抗期の中学生みたいなことを言って、家を飛び出した。
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