虹色シンデレラ
「じゃあ、また」

マンションの前で、手を振る咲良。


そうだ。

「なあ咲良」

「何?」


「近いうちにマンションを引き払おうと思っているんだ」

「そう」

寂しそうな顔。


「咲良の荷物もいくらか残っているから、取りに来いよ。連絡するから」


ほぼ同棲のような暮らしをしてきたんだ。

荷物はたくさん残っている。

俺が勝手に片づけるわけにもいかない。


「時間作るから、早めに知らせてね」

「ああ」
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