虹色シンデレラ
それでも何とか朝食を流し込み、私は大学に向かった。

本気で休もうかとも考えたけれど、家にいたほうが落ち込んでしまいそうだから出かけることにした。




「虹子ー」

遠くのほうから元気に手を振る未来。


「未来ー」

私も振り返した。


未来に会うのはいつぶりだろう。


「虹子、久しぶりだね」

「うん。未来も就活で忙しそうね」

「まあね。でも、決まったの」

「ほんと?」

「うん。希望していた設計事務所にね」

へえー。

「おめでとう」

「ありがとう」


未来は、私と同じ大学の建築学科に通う学生。

大学に入ったときから設計士を目指してして、その念願がかなったらしい。


就活かあ。

私だって哲翔さんとの縁談がなかったら、今は就活の真っ最中だったかもしれない。
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