虹色シンデレラ
車で1時間半ほど走って着いたのは、小さな海岸。


観光地化されたようなところではなく、漁港の近くの小さな砂浜だった。

歩いているのも、犬の散歩中のおじさんや子供の手を引いた親子連れ。

人出も多くなくて、素敵なところ。



「なかなかいい所を知ってるじゃない」

未来もご満悦。

「まあね、静かでいいだろ。もう少し先に行くと、別荘地もあるんだ。そうだ、高宮家の別荘も近いぞ」

「へー」

いきなり高宮の名前が出て、ドキッとした。



「ほらっ、虹子もおいでよ」

いつの間にか波打ち際ではしゃいでいる未来。

祐介くんは楽しそうに見ている。


いいなあ、こんな時間が続けばいいのに。
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