虹色シンデレラ
まっすぐに咲良を見つめなが、どう言うか考えている俺がいる。

今更、誤魔化す気も逃げる気もない。

もう、どうしようもないんだ。


「何?」

用件は分かっているはずの咲良が、スッと目をそらす。

「お前は何を考えてるの?」

「何って、別に・・・」

「今回の件、責任は俺にあると思っている。でも、早く気持ちの整理をしないとお互いに傷が深くなるだけだ」

咲良だって、分かっているはずだろう。

「自分が幸せだからって、余裕ね」

「咲良」

困ったな。

らちがあかない。


「お前が、選んだんだぞ」

言うつもりはなかった。

咲良をこれ以上傷つける気はない。

しかし、

「気が変わったって言ったら?」

「・・・咲良」
< 263 / 579 >

この作品をシェア

pagetop