虹色シンデレラ
「ごちそうさま。美味かった」

綺麗に平らげて、ビールも一本開けた。

「お粗末さま」

食器を片付けようとする咲良を制して、俺が立ち上がった。

「片付けは俺がするよ。その間に必要な物だけ選んでしまって。残った物はまとめて処分するから」

「・・・」

不満そうに咲良は黙り込んだ。

気づかない振りをした俺は、そのままキッチンへ消えた。




食器を洗い、ゴミを片付け。

多分、20分程の時間だったと思う。

その間、リビングからは物音ひとつ聞こえなかった。

嫌な予感はした。

そして、その予感は的中する。
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