虹色シンデレラ
ピンポーン。

40分後に、チャイムが鳴った。


ガチャ。

ドアを開けると無表情な菅原。


「失礼いたします」

立ち尽くす俺を避けて、部屋に入って行く。

「失礼します」

菅原の後ろからもう一人。

高宮家のホームドクター、杉田先生。



「哲翔くーん」

部屋の中から、杉田先生に呼ばれた。


「はい」

「薬を飲んでからどのくらいたつの?」

「1時間くらいだと思います」

「そうか。何をどのくらい飲んだかわかる?」

「主治医から処方してもらっている眠剤だと思いますが・・・どれだけ飲んだのかはわかりません」

「なるほど」

杉田先生がジッと俺を見ている。


何も言われたわけではないけれど、いたたまれない感覚。

やっぱりマズイよな。
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