虹色シンデレラ
「男の人の車で帰って来たのよね」

「・・・」

「黙っていれば、それで済むと思っているの?」

ちょっとヒステリックになるお母様。

それでも私は、黙ったまま。


「いつも見られていることを自覚なさい。あなたは高宮の嫁になるんですよっ」

ヤバイ、泣きそう。

「好きでこうなったんじゃない」と、叫びそう。


「虹子さん。黙ってないで、ちゃんと説明なさい」

お母様の口調は少しずつ強くなる。


その時、

「失礼します」

凛とした低音。


私とお母様は声の方を振り返った。
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