虹色シンデレラ
「事情はわかりました。でも、不愉快です」
そういうと私と祐介くんをにらむ。


「お母様」
「おばさん」

結構長い沈黙だった。



「もういいわ。今更言ってもどうしようもない。でも虹子さん、大学をサボって遊びに出たんだからしばらくは外出禁止です。家でおとなしくしていらっしゃい」

えっ。


「おばさん、虹子は悪くありません」

祐介くんが言ってくれるけれど、お母様は硬い表情のまま。

「話は終わりです。虹子さんは部屋に戻りなさい」


これ以上何を言っても無駄なんだ。

諦めた私は、祐介くんと2人部屋を出ようとした。

その時、


「虹子さんは高宮の嫁です。呼び捨てにするようなまねはやめなさい」

それは祐介くんに向けられた言葉。


それに対して祐介くんは何も言わなかった。
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