虹色シンデレラ
「乃梨子さんは悪くないのよ。私が黙っておいてって頼んだの」

慌てて乃梨子さんと哲翔さんの間に割って入った。

この状態で乃梨子さんが叱られるのは、間違っている。


「なんで黙ってた?」

まっすぐに私に向けられた視線。


「本当に疲れが出ただけだと思ったし、体調不良はお母様に叱られてからだったから、当てつけのようで言い出しにくかったの」

「だからって病院にも行かずに、何もしないでいる奴があるか」

不機嫌そうに言うと、私を部屋まで連れて行きソファーに寝かせてくれた。


「乃梨子。言いたいことはあるが、後だ。今は虹子と話すから」

「はい」

乃梨子さんは部屋から出て行った。



「本当に乃梨子さんは悪くないのよ」

「わかってる」

「怒らないでね」

「ああ。まずはお前だ」

ええ?


向かいのソファーにどっかと腰を下ろした哲翔さん。

ちょっと顔が険しい気がする。
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