虹色シンデレラ
「なんで連絡しなかった?」

「それは・・・心配かけたくなかったし」

哲翔さんの邪魔をしたくなかった。

「結局、心配かけたけどな」

うっ。


「ほら」

渡されたのは体温計。

「だ、大丈夫だよ」

「じゃあ計れ」

「・・・」

自分でも、朝から熱っぽいのは気付いている。

「自分でできないなら、手伝うぞ」

いやいや、結構です。

私は仕方なく体温計を脇に挟んだ。



ピピピ。

鳴ると同時に差し出された、哲翔さんの手。

その顔が怖くて、体温計を渡してしまった。



そして、

「はあぁー」

溜息と共に睨まれた。
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