虹色シンデレラ
「じゃあ、帰ろうか?」
「うん」

いつの間にか会計をすませていた祐介くん。
今まで思ったこともなかったけれど、行動の端々がとても紳士的。
育ちがいいんだろうか?

「祐介くんってどこの大学なんだっけ?」
バイト先でしか会ったことがないから、同い年だって事以外は何も知らない。

「帝都大だよ」

帝都大って、お坊ちゃんやお嬢さんが多くて有名なところだよね。
宮家のご子息達も通っているはず。

「祐介くん家ってお金持ちなの?」
ヤダ、私何を聞いているんだろ。

ククク。
祐介くんは気分を悪くする様子もなく笑った。

「僕は持ってないけれど、母さんは会社をやっているから生活には困らないって程度にはね」
「ゴメン、変なこと聞いちゃった」
「いいよ」

その後、駅まで送ってもらい無事父さんと帰宅した。
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