虹色シンデレラ
咲良が自殺未遂を図った日、病院へ搬送してくれた菅原が状況説明と称してマンションにやって来た。


「無事意識も取り戻され、お母様にも事情説明をしてまいりました」

「そうか、ありがとう」


それを聞いて心底ホッとした。

もし、何かあったらと一日中気が気ではなかったんだ。


「哲翔様」

「なんだ?」


その先の言葉が聞こえてこなくて、顔を上げた。

じっと、俺を見ている菅原。

きっと、言いたいことがあるんだろう。

それもいい話ではない。


「遠慮せずにはっきり言ってくれ」

覚悟はできている。
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